3日目-西表


(この日の写真は、まだ現像できてないので後日upです。だんだん記憶が薄れてきてんだよねー・・・)


8時くらいに起きて朝食。ここもビュッフェ形式でパンとかスープとか南国フルーツを食べる。
ドラゴンフルーツも初体験。酸っぱくないキウイ?細かい種がシャリシャリいう。うむむ。
今日のカヌーツアーは1日コースなので九時に宿のカウンターに集合。
「クロスリバー」のガイドさんは既に来ているのでさっさと乗車。それにしても素晴らしい晴天!


そしてかなりのスピードで港に向かう。途中スーパーで預けモノをピックアップする時の
身のこなしは忍者を連想させる。どうやら港に石垣からのお客の乗った船がくる時間らしく。
港につくと年上カップルと女の子コンビと合流。港から左に細い道を直進すると
他のツアー会社も集まっている小さい砂利敷きの広場に出て、カヤックのノリ方の短い講習。
それが終わったら、砂利道を下って森をカヤック置き場まで歩く。
途中小川の水面に落ちている、夜しか咲かないサガリ花の赤いふさふさの花が一際目立っていた。


しばらく歩くと鬱蒼とした森に色とりどりのカヤックが並んだカヤック置き場が出現する。
イキナリのプラスチッキーな光景にあっけにとられる間もなく、カヤックに乗らされる。
押し出されたカヤックが水面をスーッと、なんだか優しい感触で滑っていく。
左にパドルを入れると左に曲がって、自然と進行方向に曲がってくれる。
この日は本当にツアー客が多くて、動作を間違えるとすぐぶつかってしまう。


われらのリーダーは、ガイドをやってる割にあまり人が多いのが嫌らしく、途中干潮になると
きえてしまうというマングローブの茂みの隠れ家を教えてくれてそこで他の客をやり過ごす。
マングローブの木の幹には黒いカニがいっぱい休んでいた。その茂みで記念撮影をして
また外にでて漕いでいく。日光と運動で汗が腕から玉になって流れる。
少し疲れた頃にピナイサーラの滝が森の間から見えたところでカヌーを降りて岸にあがる。


そこはさっきの森とは様子が違って、うねうねとした板のような平ベったい根っこの
木が生えていて、泥の地面にはどデカい塚のようになった穴が開いて、そこら中に
ムツゴロウのようなとんとんみ(トビハゼ)がぴょんぴょんぺたぺた動き回っている。
どでかい塚の主は沖縄のシャコらしくかなり大きと30cm位になるらしく、とって食べる人もいるそう。
さっきの黒いカニではない真っ赤なやつものそのそ歩いていて、ディスカバリーチャンネル
世界。だけどそこから滝の上に昇る最中はもっとすごかった。


けっこう急な山道を昇る途中、ガイドさんが色んな生物を見つけては説明してくれる。
木を垂直にのぼるキノボリトカゲ、瑠璃色の尻尾のカナヘビ、木のうろに住んでいる
見るからに原始的な印象のカエル(アイフィンガーガエル?)やら、普通のシロアリやら。
シロアリは木にキノコを栽培していた。ガイドさんのシロアリの大事な扱い方に、ここの
生態にできるだけダメージを与えない気遣いを感じて、僕らはそこから彼をネイチャーと
呼ぶことにした。ネイチャーコムロである。


上へ行くにつれ、植物の種類も変わってくる。一部の日があたる部分にしか生えないシダが
いたり、大きな木の上に寄生して葉を広げ、葉の間に落ち葉を集めてそれを栄養にしている
ものがいたり、ガジュマルが頑丈な根っこで岩や木をぎりぎりと締めあげていたり。
図鑑や自然番組でみるような光景が目の前にあった。始終感心状態に陥る。


昇リ始めて多分40分くらいで滝の上に着いて、昼食。1日コースなので古代米のおにぎりと
その場で作ってくれる八重山そばをいただく。ネイチャーは人数分の食料を担いで昇って
いたのですね。と感謝してマングローブの森を一望しながらの食事は最高だった。


滝の上の川にはエビがいっぱいいて、手を入れると近寄って来て、はさみで指先を
ツンツンしてくるのでかわいらしい。しばらく遊んでから下山。
途中で配色がえぐいバッタや、丸まるとした6センチくらいのタマヤスデ
サソリモドキをみて興奮する。


スタート地点に戻ると、逆方向にすすんで滝ツボを目指す。下にたまっている水が
茶色いのはアカギという、切ると真っ赤な血のような樹液を出す、瘤だらけの木のせい。
15分くらい進むとピナイサーラの滝つぼに出る。そこまで大きくはない滝だけど、
しぶきで汗がすぐに引いていく。海パンとライフジャケットをきて滝つぼの周りで
ぷかぷか浮いているのは気持ちいいけど、水が冷たい!上がってしばらくすると
おやつとして凍らせたパインの串刺しをくれる。とてもうまいけど、小学生だったら
確実に唇ムラサキになってただろうなぁ。


スタート地点に戻る途中、クバという葉っぱを一本とって、指ハブの材料とかに
なることを教えてくれた後に、「これから戻る間になにか作るので、見ちゃだめですよ」
とネイチャー。カヤックの辺りで出来上がったものを見せてくれたものは、
とってもよくできたバッタの細工で、お腹が編んで出来ていたりと精巧なものだった。
九月の誕生日のコにあげていて、もらったコはとても喜んでいた。


再度カヤックで出発。既に潮が引いていて、マングローブの森は根っこがむき出しの、
らしい姿をさらしている。岸に近い浅いところを見ると長い貝を背負ったヤドカリが
いたので、手を突っ込んで捕獲。カヤックにのっけて出てくるのを待つ。
潮が引いて現れた地面には、色とりどりのコメツキガニ、数種類のシオマネキ、
とんとんみーが、干潮の世界をせかせかと動き回っている。
少しおちついた陽射しの中、鳥の声と水をかく音しか聞こえないマングローブの森で、
シオマネキが大きな手を振り上げて喧嘩したり、コメツキガニが団子を作っていたり、
カヤックの下を魚の群れが通り過ぎていくのを見ながら、今までの人生でも最良の
高揚感と充足感を感じながら(これが大袈裟ではないのです)ゆっくりと進んでいく。


ネイチャー含め皆がとても幸せな気分でゆーっくりと進んでいたはずが、
気がつくとネイチャーが居ない。それでもきにせずカヤックの上に置いたヤドカリ
(こいつは毛むくじゃらだった)が出てくるのを見ながら、ゆるゆる進んでいると
かなり前方から「急いで下さーい!」と言われ、皆しぶしぶペースを上げる。
どうやら石垣に戻って飛行機で帰る人がいたみたいで、結構時間がなくなってた
らしい。そこからはもう駆け足状態でカヤックを降り、車に戻って、装備を外して発車。
っちょっとスピード大丈夫?!と皆思ってたはずのジェットコースター状態で港へ。
どうやら無事間に合いお別れ。ネイチャーが日帰りはさびしいよね、といっていたのが
印象的だった。元は東京人で、西表に惚れ込んで移住してきた人間としての実感なんだろう。
滝つぼで立ち話したとき、西表で生活するのはかなり大変だという事を聞いていただけに
余計にそれを感じた。


ホテルに帰って、ジャクージでしばらくぶくぶくしてから近くの断がいにある寂れた
パットゴルフ場のような所で夕日を眺める。夕飯はみんながお勧めの島唯一のお寿司屋さん
初枝が休みだったので、がじゅまるで。座敷きとテーブル席を仕切っている、
直火請福のまっ黄色の旗がインパクト大。泡盛とソーメンチャんプルー等喰らう。
ココはけっこうヴォリューム料理。ただとうふようがなぁあ。
腹一杯で夜道ヤドカリやカニと戯れながら、ホテルに帰って明日の準備をして寝る。
明日は波照間島台風13号の噂がきになるけど。。。

カヤック&トレッキング クロスリバー】
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【がじゅまる】
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