tour de plants 5


旅行からほぼ半年、予定通りの進行で続いているツールドプランツ第5段は
ル・コルビュジェLe Corbusierの名作建築サボアvilla savoye邸です。


ここに行くためにはじめてメトロではなくRER線にのりましたが、ガイドブックに治安がメトロと
比べものにならないくらい悪いと書いてあって、覚悟はしていましたが
まさかここまで雰囲気が違うとはってぐらい、荒れ果てていてビビりました。


パリの人には普通かもしれないけど、あのエレベータの暗さは尋常じゃない。
薄ぼんやりとした蛍光灯もワイヤーでできたライトで監獄チックだし、
駅構内ボロッボロだし、電車の窓は黄色く汚れていて落書きだらけ。
フランスの人は日本の地下鉄をみてどう思うのか。逆に知りたい気持ちになってくる。


ポワッシーpoissy駅に着き、バスのチケットを買うとき、日本人か?と聞かれ
そう、と答えると、あそこには本当に日本人ばかり訪れるよ、なんで?みたいな
事を言われる。僕達も、せっかくフランスに来たんだから見ておこうという
浅い気持ちだったので、やっぱりそういう人が多いのかね。という結論になった。


Villa Savoye停留所で降りて簡素な門を入り木立を抜けると、広い芝生の真ん中にサボア邸があった。


これはかっこよい!おぉ〜とか言いながら中に入ってチケットを買う。
中をぐるぐるまわる。窓枠。手すり。廊下の天井にあいた明かり採りなんかがいちいち格好いい。


もちろん置いてあるインテリアはコルビュジェ作のものでさすがに空間に似合っている。
壁が薄いピンクや水色に塗り分けられていて、それがふんだんに入ってくる光を受けて
とても穏やかな気持ちにさせてくれる。周りの木立の緑も必ず視界に入るようになってる。


コンパクトな流しのキッチンからは芝生の中のベンチが見えたりして。


こちらはさっきのリビングを外から見たところ。花壇には銀葉のローズマリーが植えられている。
窓枠の黒と白い壁のコントラストがかっこいいバランス。


さっきの中庭からスロープを上がった空中庭園とも言うべき3階部分の花壇。
こんな感じでローズマリーばかりが植えられていますが、ソリッドなコンクリの質感と
この白い無骨な葉がとてもマッチしていて、華やかではないんだけど、いいなぁと。
自分だったらここまでストイックに種類を絞ることはできないと思うけど、
この雰囲気はすごく印象にのこってます。


以前本で見たんですが、海を見渡す丘にあるコンクリで作られたコルビュジェの墓標は、
タイルに青とオレンジで描かれた海の絵に文字が刻まれていて、
その横にある円筒形の花壇には、大きいアガベかサボテンがひとつ、
重厚な葉を八方に突きだして鎮座していて、僕はそれを見たときになんて洒落ているんだろう。
かっこいいんだろう。と感動してしまいまして。花じゃなくてゴツゴツして大きな多肉を
植えるというセンスに心からやられたんですね。
成長するのにすごく時間がかかる植物だというのも、なにか永続性を感じさせていいですよね。
これは是非僕もまねさせて貰おうと思ってます。