ygi2005-02-25


うちの家族は みな背が大きい。
父は僕と同じ177cm、弟二人は180cmはゆうに超えているから、ステーションワゴン
東京から福井まで相当窮屈な思いをしなければならない。母が先に帰っていてくれて良かった。


出発から7時間後福井の鯖江に到着し、実家に行く前に病院に寄る。
祖母に会うのに緊張している自分がいる。
病室に入ると、ずっと付き添っている叔父が祖母に孫達が来た事を伝えてくれた。
うっすらと目を開けてこちらを見る祖母はゼェゼェと息をしている。
腎臓が働かないと肺に負担が来るのだそうだ。今日は少し尿が出ているようで
熱も落ち着いているらしい。栄養と水分は点滴で得ているので、口の中と舌がかさかさに
なっている。祖母の姿を見た父の中で、何かがぐらついているのが分かる。


祖母の手を取り、額に触れると暖かい。当たり前なんだけど、なんか安心する。例え熱であっても
身体の生命力である事には変わらない。弟と順番に励ましの言葉をかける。
口の中の乾きがひどいけど、水を口から飲む力がないので、脱脂綿に水を含ませて
口と舌を湿してあげる。きっとこんな姿見られてくないんだろうなと思いつつもほっておけない。


祖母は父を可愛がっていた。叔父はその事について、色々教えてくれた。
父が県外の大学に行き、就職後東京に出る事になっても、なにも言わなかったのに、叔父は
大学も就職も福井しか許されなかった事。理由は言わなかったけど寂しかったんやろ、と言っていた。
早くに夫を亡くして、女手一つで二人の男の子を育ててきた祖母は弱味を見せる事を嫌っていた。
例え息子相手でも、寂しいとは言えなかったんだろうと思う。


父と叔父を残して家に帰る。二人で話す事がたくさんあるはずだから。こういう時兄弟はどんな事を
話すんだろうか。